美術館連絡協議会 美術館連絡協議会

  • ファミリーツアーの様子(2015 年8月1日)

2018.11.1(thu)

思い出の展覧会(59)
ポップ・アート 1960's →2000's From Misumi Collection
2015年7月25日(土)~ 9月27日(日)
熊本市現代美術館

熊本市現代美術館主査(教育事業班) 坂本 顕子

 熊本市現代美術館は、これまで美術館連絡協議会(以下、美連協)巡回展を計4回実施した。2012年の「篠山紀信展 写真力THE PEOPLEbyKISHIN」、2013 年の「アール・ブリュット・ジャポネ」展、2015年に表題の「ポップ・アート」展、2017年の「三沢厚彦 ANIMALSin熊本」展である。 その中で、筆者が担当した「ポップ・アート」展について振り返ってみたい。 

 2013年から14年に、森美術館や国立新美術館でアンディ・ウォーホルやアメリカン・ポップ・アートの大回顧展が相次いで開催された。当館においても、アンケートに「ポップ・アートの展覧会をみたい」という要望が定期的にあり、実現の機会を狙っていたことから、同展を実施する運びとなった。

 同展は、2002年に東京都現代美術館で行われた「WELOVEPAINTING ミスコレクションによるアメリカ美術」をベースに、10年以上、美連協では12館が実施してきた人気企画である。その一方で、当館の面積に対する作品のバランスや、ポップ・アートを2010年代に紹介する意義を含めて、内容を現代的にアップデートさせる必要があった。

 そこで、所蔵先や監修者のご許可を頂きながら、以下の3点の工夫を行った。①2010年代におけるポップの状況を示すために、タグチコレクションより ヴィック・ムニーズ、ジュリアン・オピー、デミアン・ハースト等の作品を紹介した。②優れたポップ・アートの名品を持つ北九州市立美術館や、福岡市美術館、熊本 県立美術館のコレクションを併せて紹介し、研究者による講演を行った。③展覧会キャラクター「アンディ君」のアイテム作成や、ワークシートやパネルの設置、シ ルクスクリーンで刷った100枚の自分の顔のポスターを街なかに貼るワークショップなどを多数実施した。

 夏休み期間中という事もあり、展覧会は子ども連れやカップルなどで賑わい、入場者、収支が目標を達成、来場者の満足度も高かった。教育普及担当の筆者と しても、展示と関連プログラムのバランスが非常に良い内容になったと、大いに自己満足をしている。

 「キャンベル・スープのポスターや、リキテンスタインの〝泣く少女〞を見られて嬉しかった」。ミーハーかもしれないが、そんな市民のささやかな期待に地道に応 えていく事も、地方公立美術館の大切な役目だ。昨年担当した、「三沢厚彦展」でも感じたが、ロングランを続ける美連協企画は、比較的低コストであると同時に、 自分たちが設定した狙いにあわせて、作品研究などの準備期間がとれ、丁寧に展覧会を実施する事が出来るという良さがある。

 これからも、美連協企画をうまく活用させていただき、熊本ならではのユニークな味付けのアイデアを練りながら、作品やコレクションの持つ素晴らしさを市民 に伝えていければと思う。

※損保ジャパン東郷青児美術館、茨城県近代美術館、広島市現代美術館、 八王子市夢美術館、松本市美術館、北海道立帯広美術館、 長野県信濃美術館、岩手県立美術館、横須賀美術館、 高知県立美術館、河口湖美術館、川越市立美術館で開催

美連協ニュース140号[2018年11月号]より転載
(※役職、所属は掲載時)

TAGS タグ TAGS タグ

美術館連絡協議会の活動は、
ライオン、 DNP大日本印刷、損保ジャパンの
ご協賛をいただいております。